IEM Katowice2019出場チーム紹介(ヨーロッパ,CIS地域編)
いよいよオフシーズンの移籍ラッシュも終わり、メジャーの地域最終予選が各地域で始まり(EUは今日で終わっちゃうけど)、ついにシーズン始まったなって感じがしますね。
ということでは各地域のメジャー出場チームを勝手にランク付けしてざっくり紹介しようっていうのが記事の趣旨です。(満点は10点)
前回大会Best8以上のシード枠チーム(本戦からの登場)
・Astralis(デンマーク)
メンバー
Xyp9x,dupreeh,gla1ve,device,Magisk
評価点
連携、作戦・・・EX
個人技・・・EX
紹介
去年圧倒的な力で優勝し続けた世界最強チーム。オフシーズンにもメンバー変更はなかったので連携面に不安はなく、万全の状態でシーズンを迎えそう。IGLも含むメンバー全員個人技も素晴らしく、去年のプレイヤーランキングtop20に全員がランクインしていることからも強さがうかがえる。唯一不安要素があるとすれば、去年は圧倒的な作戦力の差を他のチームに対して保持し続けていたが、年末の大会ではmibrにかなり迫られており、選手もインタビューで「最も研究してきているのはmibr」と発言していた。オフシーズンの研究によってそこがどうなっているか。
注目ポイント
去年他チームを翻弄した、相手の位置が見えているかの如き美しいローテーションと全員の息がぴったり合った完璧なセットプレー。あとオフラインは名物コーチzonicの選手とのコミュニケーションが見どころ。
・NaVi(ウクライナ+ロシア)
メンバー
Edward,Zeus,flamie,s1mple,electronic
評価点
連携、作戦・・・8
個人技・・・10
紹介
現在世界最強の選手であるs1mpleと、プレイヤーランキング4位にランクインしたelectronicを擁するCIS地域最強チーム。こちらもメンバー変更はなく、連携面では問題なさそう。ただEdwardとIGLで今年で引退することが濃厚なZeusの個人技がtopレベルで戦っていく上ではかなり足を引っ張ることが多い。s1mpleとelectronicは安定して強いのでチームのカギは良くも悪くもflamieの出来次第ということになりそう。ただAstralisを脅かすのは難しいかな、と個人的には思っている。
注目ポイント
やっぱり世界最強プレイヤーs1mple君の個人技。圧倒的な力ですべてを薙ぎ払っていくので見ていて楽しい。個人的には3試合に1ラウンド位のペースで全盛期の力を見せるEdwardのスーパープレイも見どころ。
・Faze(カザフスタン、スウェーデン、スロバキア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、ノルウェー)
メンバー
AdreN,olofmeister,GuardiaN,Niko,rain
評価点
連携、作戦・・・6
個人技・・・EX
紹介
メンバー全員の出身国が違う国際チーム、2015年世界No1プレイヤーolofmeister、去年まで5年連続でプレイヤーランキングtop20に入り続けているCIS最高のAWPerであるGuardiaN、2017年個人ランキング2位のNiko、同じく2017年4位のrainという正に「ぼくがかんがえたさいきょうのちーむ」という構成だが去年はolofの故障離脱、チーム内でのロールチェンジなどもあり不本意な成績に終わった。2016年11月から長らくIGLを務めていたKarriganに変わり、オフシーズンにAdreNを獲得。個人技はさらに強化されたが、連携面やタクティクスマスターだったKarriganの穴をどうするのか、今年初戦でかなり格下のGhostに負けたということもありかなり不安が残る。とはいえ個人技が最強なので仕上がってくれば強いだろう。
注目ポイント
メンバー全員に試合を壊せるだけのキャリー力があり、どれだけ人数不利を背負ってもワンチャンスあるため、相手チームは油断できない。Nikoは今年かなり気合を入れて望むようなので2017年のような圧倒的な力を見せられるか。
・HellRaisers(ウクライナ、カザフスタン、トルコ、ハンガリー、ヨルダン)
メンバー
ANGE1,Hobbit,woxic,DeadFox,ISSAA
評価点
連携、作戦・・・8
個人技・・・7
紹介
こちらも全員の出身国が異なる国際チーム。シーズンオフのメンバーチェンジはなかったが、2018年11月にGambitからHobbitが加入しているためこのメンバーでのビッグイベントは今大会がまだ3個目。それらの3大会では、格下のチームには確実に勝利を収めているが、同格または格上の相手には勝てないでいる。カギになるのは爆発力のあるAWPerのwoxicとメジャー優勝経験のあるHobbitの二人。この2人が勢いに乗れれば番狂わせを起こせる力を持っているのでグループステージの立ち上がり2試合がかなり大事になりそうだ。
注目ポイント
年末までは加入したてのHobbitがまだチームに完璧にはあってないのかなって感じがしてたのでそこのあたりを29歳のベテランANGE1がどうやってまとめ上げてくるか。あとはwoxicの得意マップMirageの際のまるでMMかのような強気のAWPも見どころ。
・BIG(ドイツ、トルコ、イギリス)
メンバー
gob b,tabseN,tiziaN,XANTARES,smooya
評価点
連携、作戦・・・10
個人技・・・7
紹介
個人的に今シーズンオフの移籍で最も驚いたチーム。2017年から丸二年所属していたnexに代わり、トルコのスーパーエースXANTARESを獲得。個人技は圧倒的に強化されたといえるだろう。去年までのBIGの強みだった連携面に加えて、火力を手に入れたことによってかなり期待できるチーム構成になっているが、XANTARESの移籍がかなりぎりぎりだったこともあり、本来の連携を発揮できるかは微妙なところ。グループステージまでの1か月間でどれだけ仕上げてこれるか。
注目ポイント
このチームがビックイベント毎に用意してくる斬新な作戦と、新戦力XANTARESがトップチーム相手にどれだけキャリー出来るか。またCTサイドの出来はsmooyaにかなり左右されるので彼のAWPにも注目だ。
前回大会本戦出場チーム(最終予選からの登場)
・Vega Squadron(ロシア、ウクライナ)
メンバー
tonyblack,chopper,jR,hutji,crush
評価点
連携、作戦・・・6
個人技・・・7
紹介
前々回大会で伝説のチームNiPのメジャー出場を阻み話題になったチーム。しかしそれ以降はあまり目立つことはなく、前回のメジャー最終予選も最終戦BO3まで戦って辛うじての突破。直近でも昨年10月にトップチームが全く出場していなかったStarSeries i-League Season6で2位に入ったのが最高成績。オフシーズンのメンバーチェンジもなかったことを考えると今回の期待値はそれほど高いとは言えない。chopperとjRの2人が好調で大会を迎えなければ最終予選突破は難しいだろう。
注目ポイント
CIS地域特有の好調時にどんどん仕掛けていく傾向がこのチームは特に強い。試合序盤の7ラウンドで勢いに乗れれば息の合った超強気プレー(?)がみられるかも。
・fnatic(スウェーデン)
メンバー
Xizt,JW,twist,KRIMZ,Brollan
評価点
連携、作戦・・・8
個人技・・・8
紹介
何らかのゲームの大会を観戦したことのある人なら大体知っているであろうプロEsportsチームの名門Fnatic。去年はLoL部門は躍進したがCS:GOは2月から3月に行われたIEM Katowice2018で優勝して以降は不調が続きかなり苦しい年になった。6月に元NiPのXizt、10月にTwistと16歳のホープBrollanを獲得。去年はそれ以降も苦しい戦いが続いたが、今年の開幕戦だったiBUYPOWER Masters2019ではTeam Liquidから1map獲得するなど多少の希望は見えてきた。底力を発揮して最終予選を突破できるか。
注目ポイント
去年チームが不調の中、一人気を吐いてプレイヤーランキング9位にランクインしたKRIMZとスウェーデンホープBrollanに注目。去年の2月にそれまで6年間所属したNiPを脱退したXiztの今年を占う上でもかなり重要な大会になるだろう。
・G2(フランス)
メンバー
JaCkz,shox,KennyS,boddy,Lucky
評価点
連携、作戦・・・7
個人技・・・8
紹介
2016年以降低迷するフランスCSを救うために2017年2月に結成されたフランススーパーチームだったが、結果が出せずメンバー変更を重ねた末、2018年11月に3DMAXからJaCkzとLuckyの2人を獲得。昨年末の大会では、今大会に出場するAVANGARとHellRasersを立て続けに破って2位に入り、その後すぐ行われたWESGの北西ヨーロッパ予選でも同じく今大会に出場するVitalityを破って1位通過を決めるなどかなり調子を上げてきている印象がある。KennySとshoxというフランス2大スタープレイヤーの出来によっては本大会Best4以上も夢ではないだろう。
注目ポイント
メンタル面に不安があると言われ続けているKennySだが調子のいいときは間違いなく世界でNo1のAWPer。彼の圧倒的な反応速度は必見。また新加入の2人がトップチーム相手にいつも通りのプレイを出来るかといった点にも注目したい。
・NiP(スウェーデン)
メンバー
f0rest,GeT_RiGhT,dennis,Lekr0,REZ
評価点
連携、作戦・・・8
個人技・・・9
紹介
2013年の世界最強チームだったが、2015年以降は年々成績が降下し、遂に前々回メジャーの地域予選ではVega Squadronに敗れて出場すら出来ないといった状態に陥ってしまった。そこから何度かのメンバー変更を経て、現在はレジェンドであるf0rest,GeT_RiGhTの2人以外3人が2017年7月以降に加入したメンバーとなっている。その甲斐もあり去年はトーナメントでの優勝こそないものの、ECSやESL Pro Leagueといったリーグ戦ではトップチーム相手に安定した成績を残し、復活の兆しが感じられた。このチームは何故かAstralisなどの一部トップチーム相手に相性が良いため、トーナメントブラケット次第ではかなり上位を狙える可能性はあるだろう。
注目ポイント
30歳というFPSでは相当なベテランにもかかわらず、いまだ圧倒的な力を持つf0restの安定感抜群のプレイングとREZの爆発力、そしてオフラインイベントの際はGeT_RiGhTのWebcamに映るリアクションに注目してほしい。
今回の地域予選突破チーム(最終予選からの登場)
・AVANGAR(カザフスタン、ロシア)
メンバー
fitch,buster,KrizzeN,qikert,Jame
評価点
連携、作戦・・・6
個人技・・・7
紹介
前回のメジャー大会の際は地域予選突破をあと1勝のところで逃してしまったが、その雪辱を果たし、今回のCIS地域予選を1位で突破したチーム。ただし、個人技でも作戦面でもトップチームからは1段劣るため、地域予選の勢いを維持する必要がある。Fitch以外の4人は19~20歳とかなり若いので、ビッグイベントのメンタルコントロールがカギになりそうだ。
注目ポイント
エースプレイヤーのJameとbusterは絶好調時はTier1クラスの個人技を発揮するので彼らに注目してみていきたい。
・Spirit(ロシア、ウクライナ)
メンバー
DavCost,Dima,S0tF1k,COLDYY1,somedieyoung
評価点
連携、作戦・・・7
個人技・・・7
紹介
CIS地域では以前から有名なDavCost,Dima,COLDYY1の3人を擁するチームが前回に引き続き地域予選の最後の1枠を勝ち取り最終予選進出。その地域最終予選ではメジャー大会優勝経験のあるGambitを破っての突破とあってかなり勢いに乗っている。昨年末のStarSeriesでもVitality相手にBO3で勝利を収めていることもあり、本戦出場の可能性は十分にあるといえるだろう。
注目ポイント
AIM力に優れたプレイヤーが多いCIS地域の中でも有名な選手たちがそろうチームの為、見る分には楽しいが参考にはならないムーブが数多く見られるだろう。そのあたりを注目してほしい。
・ENCE(フィンランド)
メンバー
allu,Aerial,xseveN,Aleksib,sergej
評価点
連携、作戦・・・8
個人技・・・8
紹介
数年間、フィンランドCSの希望としてNiPやFazeなど、数々のトップチームを一人で渡り歩いたalluが遂に自国で共に世界トップクラスと戦えるチームを見つけ、メジャー大会に帰ってきた。alluはもちろん、16歳のスーパールーキーsergejと数年間国内で活躍してきたAerialの2人もトップチームに負けない個人技を持っている。昨年末はStarSeries、DreamHackといったかなり規模の大きな大会で立て続けに優勝し、地域予選でも勢いそのままに1位通過を決めた。個人的に最終予選で最も期待しているチーム。
注目ポイント
AWP、アサルト共にトップクラスの強さのalluだが、過去に大会のウォーミングアップ中にBotに撃ち負けて以降、敵を倒すたびに「God allu」、弾を外すたびに「Bot allu」というコメントが流れるようになった。今大会のalluはGodかBotか、コメントと共に楽しみたい。
・Vitality(フランス、イギリス)
メンバー
NBK,RpK,apEX,ALEX,ZywOo
評価点
連携、作戦・・・7
個人技・・・9
紹介
フランスのスーパーチームであるG2からあぶれた、又は脱退したフランス人プレイヤー3人とフランスのホープ18歳のZywOoに以前から評価が高かったイギリス人プレイヤーALEXを加えて昨年10月に結成されたチーム。結成当初から注目され、DreamHack Openで優勝するなど前評判通りの力を見せて昨年を終え、今年に入ってもそのままヨーロッパ予選を突破した。フランスチームは昔からスーパーチームを作るとそこに入れなかったプレイヤーが活躍するというジンクスがあるのでそれに倣ってG2以上の活躍を見せられるか。
注目ポイント
NBKは他のプレイヤーが全く使っていない時期にSG553を使ったり、いろんなmapに「NBK」という名称が出来るなど「ニューメタ」を作ってきた歴史がある。今回はどんなことをやってくるのか注目したい。
これでヨーロッパ、CIS編は終了です。もしデータ等で間違っていることがございましたら、Twitter(@Axcode1102)のほうまで連絡をくださいm(__)m